研修旅行記(12/1・1日目)

午前8時40分に出発式を終え、1日目の目的地 福岡に向けて出発しました。

今日のメインは劇団四季のミュージカルCats。素晴らしい舞台に魅了されました。

その後は班別の自主研修、たくさんのお土産と笑顔でみんなが無事ホテルに到着し、無事1日目を終えました。


1日目の観劇の感想を普通科3組の吉村さんが書いてくれました。(※この感想文にはストーリーの一部が含まれています。ネタバレにご注意ください。)

私は今日初めて劇団四季の公演を観ました。どんなお話なのだろうと胸を躍らせながら会場に入ると、そこは”猫の世界”でした。観客席にまで及ぶその舞台セットには、鞄や電子レンジ、壊れたギターなど、私達に馴染み深いものが猫視点の大きなサイズで登場します。公演が始まるまでの間、舞台上だけでなく天井や左右の壁も隅々まで観察したくなり、「あ、あそこは猫が好きそうだな。」「あそこから何か出てきそう!」と言った想像が膨らみ、さらに公演が楽しみになりました。

公演が始まると不気味な音楽とともに舞台が暗転し、暗闇には小さな二つの光がいくつも現れます。爛々と輝くそれが猫の目なのだと気付いた時、一気にその世界観に引き込まれました。そして日が上った舞台で猫たちが私達に語りかけます。『ジェリクルキャッツを知っているか?』静かに繰り返されたその言葉が頭から離れぬうちに、さまざまな猫の生き方が賑やかに、時には悲しげに歌い上げられます。そこに登場する猫は皆個性的で、紹介されている猫はもちろんのこと、それを眺める周りの猫達も様々な反応を見せます。ノリノリで踊る猫がいる一方で、つまらなそうに毛繕いをする猫がいたり、その自由気ままな様子についつい目を引かれてしまいます。その中でも特に私が気になったのが、ボロボロの毛皮をした老婆の猫です。彼女の足取りは他の猫と違い自信なさげで、前足は常に体の前で縮こまっています。他の猫は彼女を受け入れず、彼女が舞台上に現れると、それまでの賑やかさが嘘のように皆いなくなってしまうのです。「孤独な彼女が救われる道はないのだろうか…。」私は終始、彼女のことが気にかかっていました。そして、マキャヴィティの襲撃を乗り越え、遂にジェリクルキャッツを選ぶ日が来ます。最初に彼女がそこに現れた時、猫達はいつものように彼女を避けました。一人俯く彼女は、「このまま死んでしまうのではないだろうか…」そう思ってしまうほど弱々しく見えました。しかし、彼女の孤独な歌を聴いた一匹の猫が近づき、初めて彼女に触れます。すると、今まで彼女を拒絶してきた猫達全員が彼女の手を取り、長老の元へと連れて行ったのです。天上に上り新たな人生を得るジェリクルキャッツを選ぶ儀式というのは、一度死んで生まれ変わる輪廻転生を表しているのではないかと感じました。最後に選ばれ天上に上った彼女は来世で幸せな人生を送れているのでしょうか。彼女のその後は語られませんでしたが、少なくとも、皆に見送られるあの瞬間は孤独でない、幸せな時間だったのではないかと思います。

厳かな雰囲気で劇が終わり、役者の方々の挨拶で幕引きとなりましたが、二度三度と繰り返されるそれにクスリと笑いが溢れ、楽しい気持ちで観終わることが出来ました。今までにないミュージカルの演出に終始驚き魅了された2時間でした。劇団四季の皆様、この旅行を企画してくださった皆様、本当にありがとうございました。